Overview
Visorは、スクリーンを持たないUIの様式である。マクロバイノキュラー、パイロットのヘルメットバイザー、爆撃照準器、ドロイドの視覚 — 画面の代わりに視界そのものがあり、そこに光の膜が重畳する。
大原則は 「見ることが即ち測ることである」。生の視界は単色フィルターに変換され(赤外の赤、暗視の緑、砂漠の琥珀)、レティクル・目盛り・数値がその同じ色で焼き付く。すべての描画が同一の発光色を持つのは、それらが同一のセンサーの出力だからだ。そして視界の縁には常にハードウェアの影 — バイザーの形をした黒いマスク — があり、これがレンズ越しであることを忘れさせない。
Colors
パレットは「黒いマスク + センサーモード別のデュオトーン」。1視界1モード(vectorscope/kuat-sienarの1画面1色相の光学版)。
- mask (#050505): バイザー枠の黒。視界の外周を囲む。純黒に近い。
- ir-red (#E8352A) / ir-red-deep (#4A0805): 赤外・照準モード。明部と暗部のデュオトーン。
- night-green (#3DDC97) / night-blue (#12233F): 暗視モード。緑の描画と青黒の視界。
- amber (#B87333) / amber-deep (#5C3317): 砂漠・望遠モード。琥珀のデュオトーン。
- mono-pale (#D8E4E8): モノクロ・グレイン モード。白黒の粒子の粗い視界。
モードを混ぜない。ターゲットマーカーも数値もレティクルも、そのモードの明部色一色で描く。第二色はデュオトーンの暗部(視界側の色)だけ。
Typography
- 等幅・セグメント風の数値が主役。座標、距離、速度のカウンタが刻々と更新される。
- オーレベッシュのグリフ列が数値に添う。ラベルは3〜4文字の略号まで。
- 文字は視界の縁のゾーンに置かれる(四隅、下端の帯)。視界の中心は空けておく — そこは見るための場所。
- すべてモードの発光色。文字専用色は存在しない。
Layout
- 中心は空、縁に計器。 レティクルだけが中心を占有できる。数値・状態・スケールバーは四隅と上下端の帯に退避する。
- 左右対称。縦スケールバー(目盛+三角ポインタ)が左右に対で立つことが多い。
- 密度は薄い。視界を遮るUIは本末転倒であり、要素は10個未満。
Elevation & Depth
- 深度は「視界=奥」「描画=手前の膜」の2層だけ。描画層に内部の重なりはない。
- 発光は蛍光管的な滲み(ブルーム)+ハレーション。輝度はノイズで微振動する。
- 走査線・フィルムグレイン・ノイズが常在。クリーンな画面はこの様式に存在しない — 劣化こそがセンサーの実在感。
- ヴィネット(視界周辺の減光)でレンズの光学特性を再現する。
Shapes
- 視界の形=横長オーバル(俵型)、こめかみ側に鋭角のノッチ。 バイザーの物理形状が画面の輪郭を決める。双眼鏡型は真円、爆撃照準は全面+円弧の縁飾り。
- レティクルは同心円+クロスヘア。ロックオンは六角形。マーカーはダイヤモンドか括弧ブラケット。
- 距離環・角度ダイヤル: 縁に沿ったティック付き円弧。
- 収束するワイヤーフレーム照準線(爆撃照準)。
- 線は1〜2px。すべての図形は「刻まれた光」で、塗り面はない。
Components
- visor-mask: 視界を囲む黒いマスク。横長オーバル+こめかみノッチが標準形。UIはこの内側にのみ存在する。
- sensor-mode: デュオトーンのモード切替(ir-red / night / amber / mono)。ビューごとに1モード。
- reticle: 同心円+クロスヘア照準。中心専用。
- range-ring: ティック付き円弧の距離環・角度ダイヤル。
- hex-lock: 六角形のロックオン枠。捕捉時に対象へ吸着する。
- target-marker: ダイヤモンド/ブラケットのマーカー+短いラベル。
- corner-readout: 四隅・下端帯の数値カウンタ。等幅、常時更新。
- grain: 走査線+粒状ノイズ+微フリッカーのオーバーレイ。
Do's and Don'ts
Do:
- 視界全体を1つのセンサーモード(デュオトーン)に統一する
- バイザーの物理形状で視界をマスクする
- 中心を空け、計器を縁に寄せる
- 走査線・グレイン・微フリッカーで「レンズ越し」を維持する
- 描画をすべて同一発光色にする — 同一システムの出力であること
Don't:
- モードを混色しない(赤外の視界に緑の文字、は存在しない)
- 視界の中心をUIで塞がない(レティクル以外)
- パネル・カード・塗り面を持ち込まない(ここにスクリーンはない)
- クリーンでノイズレスな描画にしない — 劣化の除去はこの様式の否定
- マスクなしの全面ブリードを標準にしない(例外は爆撃照準のみ)