Overview
Podracerは、モス・エスパの経済圏 — 中古と鹵獲と改造で回るアウター・リム — の計器様式である。ポッドレーサーのコックピット、実況ブースの寄せ集めモニター壁、石造アーチに埋め込まれた後付けセンサー。
大原則は 「規格の不在がアイデンティティ」。同じ双発エンジン監視画面ですら、状態ごとに緑バー、青縞、白フレアと無節操に色が変わる。実況ブースでは筐体寸法も形式も異なるモニターが無秩序に並ぶ。これは怠慢ではなく生態系だ — 動く部品だけが生き残り、統一デザインなど誰も発注していない。ただし完全な無秩序ではなく、生き残った部品には共通の血 — 円形ベゼル、滲む発光、剥き出しの配線 — が流れている。このDESIGN.mdが定義するのは規格ではなく、その「逸脱の許容範囲」である。
Colors
パレットは「砂と錆の筐体 + その場しのぎの発光色」。
- housing (#5C4A3A) / dust (#8A7B68) / dark (#2B241D): 打痕のある金属、砂岩、焦げ茶の暗部。UIの地はスクリーンではなく風化した物体。
- amber (#F2A93C): コックピット計器の支配色。迷ったらこれ。
- cyan (#4FBFDB): 寄せ集めモニターの色。別の機械から来た部品の色。
- magenta (#E0439A) / green (#4CD97A) / signal-red (#E04A2B): その場しのぎのパラメータ色。
色の意味論は存在しない — それがこの様式の掟である。 赤=危険のような体系を作り込んではならない。色はパラメータごとにその場で割り当ててよい。ただし条件が2つ:①1つの計器の中では読み分けられること、②全体としてamberが支配的であること(そうしないとただのカオスになり、タトゥイーンの琥珀色の空気が消える)。
Typography
- オーレベッシュは手彫りのように不揃いでよい。量産フォントの均質さを避け、字形・ウェイトの揺れを許容する。
- 数値はドットマトリクス/セグメント風(VT323系)。計器ごとにサイズが違ってよい。
- ラテン風UIと絵記号が同じ壁に混在してよい(実況ブースの寄せ集め)。
- 統一書体という概念自体を持ち込まない。
Layout
- 整列しない。 統一グリッドは存在しない。計器は「取り付けられる場所に取り付けられた」配置であり、間隔も軸も揃わない。
- 寸法の異なるパネルの同居が標準(patch-panel)。大きなモニターの隣に小さな丸ゲージ。
- ただし各計器の内部は機能的 — 読めない計器は捨てられて生き残らない。無秩序は計器の「間」にあり、「中」にはない。
- 配線・パイプが計器の間を這う。UIの領域は配線に侵食されてよい。
Elevation & Depth
- 深度は物理的な取り付けの深さ。埋め込まれた丸窓、飛び出したゲージ、ねじ止めされたモニター。
- 発光はブラウン管的な強い滲み(bloom)。エッジのシャープなデジタル発光は存在しない。
- ガラス面の曇り・反射・指紋を許容する。視認性より使い込まれた実在感。
- 走査線・ノイズ・にじみが常在。
Shapes
- 円形・涙滴形のベゼルが繰り返し現れる唯一の共通モチーフ。丸窓、丸ゲージ、丸モニター。
- 角括弧のブラケット照準(HUD、フレーム装飾)。
- 双発エンジンのライン図(左右対称の2ユニット概略図)が定番グラフィック。
- 筐体は風化必須(weathering: required)— 新品のきれいな枠はこの世界に存在しない。
- 角丸は大きめでいびつでよい。
Components
- round-bezel: 円形/涙滴形の計器窓。錆びたhousingに埋め込まれ、風化が必須。
- patch-panel: 寸法・形式の不揃いなパネルの寄せ集め。整列させないことが正しい。
- engine-diagram: 双発エンジンのライン概略図。状態表示の色はその場割り当て(ad-hoc)。
- bracket-reticle: 角括弧のHUD照準。
- bar-cluster: 形式の混ざったバー群(縦バー、縞バー、ドット列が同居)。
- wiring: 剥き出しの表面配線。計器と計器を物理的につなぐ視覚要素。
- crt-bleed: 強いブルーム+走査線+曇りのオーバーレイ。
Do's and Don'ts
Do:
- 計器ごとに形式・寸法・色を変える — 揃えないことが正しい
- amberを支配色に保ち、その下で色をその場割り当てする
- 円形ベゼル・滲む発光・剥き出し配線という「最低限の共通の血」は守る
- 筐体を風化させる(錆・打痕・砂埃・曇り)
- 各計器の内部は読めるように — 機能しない部品は生き残らない。風化・曇り・にじみは可読性の最低線を割らないこと(ラベルと数値が一読できない計器は「壊れた部品」であり、この世界では捨てられている)
Don't:
- 色の意味体系を作り込まない(赤=危険で統一、はこの世界にない)
- グリッドに整列させない、書体を統一しない
- 新品の質感・シャープなデジタル発光・クリーンな枠を使わない
- 1画面に情報を統合しない — 計器は分散した物体の群れであること
- 他テーマの規律(チャンファー、ヘアライン、単色相システム)を持ち込まない