Overview
Nubianは、ナブー王室のスターシップ(TPMのロイヤル・スターシップ、AOTCの王室クルーザー)に見られる計器様式である。名はクワイ=ガンが劇中で船を呼んだ「J-type 327 Nubian」から — 船体設計・建造はシード王宮造船工廠、推進系はヌービア・スター・ドライブズで、「ヌビアン」は映画自身がこの船に与えた呼称である。銀河のスクリーンがほぼ例外なく「暗闇に光る線」であるなか、ナブーだけが明るい地に描く。クロームの船体と同じ思想 — 機能を隠さず装飾として磨き上げる — がUIにも貫かれ、量産品ではなく銀細工師が作った工芸品のように見える。
大原則は 「計器は宝飾、画面は陶磁」。スクリーンはクリーム地の陶板のようで、円形の計器がコーラル色の熱を帯びて発光し、緑の銘板が要所に打たれる。冷たい情報機器の気配を徹底的に排し、温かく、対称で、優雅であること。
Colors
パレットは「温かな地色3階調 + 発光するコーラル + 差し色3色」。
- shell (#E9DCC6): 筐体・コンソールのクリーム。大面積の地。
- blush (#D9A38A): 地色の影側。継ぎ目、トラック、非アクティブ。
- ground (#F3C9A2): 計器盤面のピーチ。発光しているような温かい面。
- coral (#FF8A55): この様式の「光」。計器の縁、リング、アクティブ要素。常に柔らかなハロー(グロー)を伴う。
- ember (#E85C30): コーラルの濃色。ゲージの充填、重要セグメント、強調。
- plum (#3A1B33): 唯一の暗色。スキーマティックや映像を映す小窓(viewport-inset)の奥。暗色は「窓の中」にのみ存在する。
- sage (#8FA84E): 銘板・ラベルの緑。オーレベッシュの刻印用。
- sky (#9FC6E4): 小窓内のワイヤーフレーム・映像のトーン。
- violet (#B48AC8): 3D表示の透過体、装飾的アクセント。稀に。
運用: shell/blush/ground で75%、coral/ember 15%、plum窓 5%、sage/sky/violet 5%。黒は存在しない。影すら茶系(blushを暗くした色)で描く。
Typography
- 見出しはセリフ体(Cormorant Garamond系)。銀河で唯一、人文主義的な文字が許される様式。刻印のような落ち着いた字間。
- ラベル・数値は細身の幾何学サンセリフ(Jost/Futura系、ライト級)。大文字+広めトラッキングだが、holonetの機械的な硬さではなく、案内板の上品さ。
- オーレベッシュはsageの銘板(plaque)に刻む。銘板はカプセル形で、要所に少数。
- 数字は細く、目盛りに沿って円弧状に配置されることが多い。
Layout
- 対称と同心。 レイアウトの基本は円と、円を並べた対称構成。矩形グリッドではなく、大きな円形計器を中心に衛星のように小計器を配す。
- 余白は豊か。 holonetの詰め込みと正反対に、計器と計器の間に地色をたっぷり取る。
- 曲線の流れ。コンソールの継ぎ目(seam)は曲線で、UIの区切りも直線より弧を好む。
- 情報は「一目で読む計器」単位。表やリストを避け、ダイヤル・アーク・銘板で伝える。
Elevation & Depth
- 深度は素材の重なりで表現する:陶板の上に金属リング、その上にガラスの小窓。各層はわずかな暖色の影(ドロップシャドウではなく、blush系の接地影)を持つ。
- coralの発光は熱のようなハロー。シアン系のシャープなネオンではなく、夕陽の滲み。
- plumの小窓だけが「奥」を持つ — 暗い奥行きにskyの線画が浮かぶ。それ以外の面は浅浮き彫り。
Shapes
- 円、楕円、カプセル。 直角はこの様式に存在しない。ビューポートも計器も銘板もすべて丸みで構成する。
- リングとセグメント。 円形計器の縁は太いcoralのリングで、扇状に分割されたセグメント(ember)が状態を示す。
- 角丸は大きく柔らかく(soft = 20px、多くは完全な円/カプセル)。
- 縁取りは二重線や細い金属モールのように繊細に。太い無骨な枠はない。
Components
- dial: 円形計器。coralの発光リング+ground面+中心のシンボルまたは小窓。縁に沿ってティックと細数字。必ずshellの物理ベゼル(成形された台座)に埋まって見えること — 画面に直接描かれた円ではなく、筐体に嵌め込まれた計器である。密度は同心方向に稼ぐ:ベゼル→発光リング→セグメント環→目盛り環→数字環→小窓、とリングを重畳させる。
- plaque: sageのカプセル銘板。オーレベッシュ(または大文字ラベル)をshell色で刻む。計器の上下に添える。
- viewport-inset: plumの暗い小窓。skyトーンの映像・ワイヤーフレームを映す。縁はcoralの細いモール。
- gauge-arc: 円弧ゲージ。blushのトラックにemberの充填。先端に小さな球。
- console: shellの大きな曲面パネル。blushの曲線シームで領域を仕切る。
Do's and Don'ts
Do:
- 明るい地に描く — 暗色はplumの小窓の中だけ
- 円・楕円・カプセルで構成し、対称に配置する
- coralの発光に柔らかなハローを与える(夕陽の滲み、シアンの鋭さは禁物)
- セリフ体の見出しと細身サンセリフのラベルで上品に
- 余白を豊かに取り、計器を宝飾のように独立させる
Don't:
- 黒・純白・シアンを使わない(冷たい色はこの様式を殺す)。汎用UIの警告にも赤を導入しない — 状態は 良好=sageの塗り、注意=emberの輪郭、警告=emberの塗り で写像する
- 直角、チャンファー、鋭い切り欠きを使わない
- 情報を詰め込まない — 表やデータグリッドはこの世界にない
- 機械的なモノスペース数字の羅列を避ける
- グリッチ、走査線、ノイズ演出を持ち込まない(工芸品は劣化しない)